# 結婚したら賃貸の名義はどうする?変更手続きと費用
「同棲していた部屋にそのまま二人で住み続けるけど、結婚したら賃貸契約の名義って変えなきゃいけないの?」——入籍のタイミングで多くのカップルがつまずくのが、この賃貸契約まわりの手続きです。婚姻届を出すことに気を取られて、住まいの契約のことは後回しにしがちですが、実は放置するとトラブルの火種になることもあります。
結論から言うと、結婚しても賃貸の「契約名義(契約者)」の変更は必ずしも必須ではありません。 現在の契約者がそのまま住み続けるなら、契約者を変える必要はないケースが大半です。ただし、改姓(苗字が変わった)や同居人の追加・変更があった場合は、管理会社・大家さんへの「届出」が必要になります。これは名義変更とは別物で、多くの場合は無料でできる手続きです。
一方で、契約者そのものを配偶者に切り替える「名義変更」を行う場合は、管理会社によっては再契約扱い(=新たに審査・契約金が発生)になることがあり、ここに注意が必要です。この記事では、結婚後に必要な届出と名義変更の違い、手続き一覧表、費用の目安、そして「これを機に住み替える」という選択肢までを、具体例を交えて整理します。
なお、対応は契約内容や管理会社によって大きく異なります。本記事は一般的な目安として読み、最終的には必ず契約書と管理会社への確認で判断してください。
そもそも「名義変更」と「届出」は別物

まず混乱しやすいポイントを整理します。結婚後の賃貸手続きには、大きく分けて次の2種類があります。
- 届出(変更の連絡): 契約者は変わらないまま、改姓や同居人の追加を管理会社に知らせる手続き。基本的に無料で、審査もない場合が多い。
- 名義変更(契約者の変更): 契約者そのものをAさんからBさん(配偶者)に切り替える手続き。管理会社によっては再契約扱いとなり、審査・費用が発生することがある。
同棲時代の契約形態がどうなっていたかで、結婚後にやるべきことは変わります。たとえば「彼氏が契約者・彼女が同居人」として住んでいたなら、結婚してもそのまま契約者を変えずに、改姓と婚姻の届出だけで済むことが多いです。逆に、片方が実家を出て新たに合流するようなケースでは、同居人の追加届出が必要になります。
同棲時の契約形態(契約者は一人か、連名か)で手続きが変わるため、そもそもの契約の仕組みがあいまいな方は同棲カップルの賃貸審査は厳しい?契約者はどっちにすべきか(同棲カップルの賃貸審査・契約者はどちらにすべきか)を先に確認しておくと理解がスムーズです。
結婚後に必要な届出(改姓・同居人追加)

契約者を変えずに住み続ける場合でも、次の届出は忘れずに行いましょう。届け出ずに放置すると、更新時や退去時、火災保険の請求時に「契約者情報と実態が違う」と指摘され、手続きが滞る原因になります。
改姓(苗字が変わった)の届出
結婚で契約者または同居人の苗字が変わったら、管理会社にその旨を伝えます。多くの場合、氏名変更の届出書に記入し、戸籍謄本や新しい住民票など、改姓を証明できる書類を添えて提出します。これは契約内容そのものを変えるわけではないため、費用はかからないのが一般的です。
同居人の追加・変更の届出
同棲時に「単身契約(一人入居の条件)」で借りていて、実は無断で二人暮らしをしていた——というケースは要注意です。結婚を機に、正しく「二人入居」として届け出る必要があります。物件が二人入居可かどうか、単身用物件に黙って二人で住むリスクについては「二人入居可」とは?同棲NG物件との違いと黙って住むリスク(「二人入居可」とは)で詳しく解説しています。物件によっては二人入居に切り替えると家賃や条件が変わることもあるため、必ず事前に確認してください。
なお、婚姻を機に生活を見直して家賃設計から考え直したいという方は、SUUMO賃貸の公式サイトで物件を探す で現在の相場と条件を眺めておくと、住み続けるか住み替えるかの判断材料になります。
名義変更が必要なケース・不要なケース
では、契約者そのものを変える「名義変更」はどんなときに必要なのでしょうか。ケース別に整理します。
名義変更が不要なことが多いケース
- 同棲時の契約者が、結婚後もそのまま契約者として住み続ける(改姓・同居人の届出のみでOK)
- 契約者の苗字が変わっただけで、契約者本人は同一人物
名義変更を検討すべきケース
- 契約者だった側が転勤・入院などで実質的に住まなくなり、配偶者が主たる居住者になる
- 契約者本人の収入がなくなり、配偶者の収入で契約を維持したい(審査上の理由)
- 契約者が退去し、残る配偶者が単独で契約を引き継ぎたい
ポイントは、「誰が契約上の責任を負うか」を実態に合わせる必要があるときに名義変更が発生するということです。単に結婚したから、苗字が変わったから、という理由だけで契約者を丸ごと差し替える必要はありません。
名義変更の手続きと費用(再契約になる場合の注意)
名義変更が必要な場合、手続きの流れと費用は管理会社の方針によって大きく2パターンに分かれます。
パターン1:契約者情報の変更として処理 比較的軽い手続きで、変更手数料(数千円〜1万円程度)のみで済むことがあります。
パターン2:再契約(新規契約)扱い 新しい契約者について改めて入居審査を行い、契約書を作り直します。この場合、礼金・仲介手数料・火災保険料・保証会社利用料などが再度発生する可能性があり、実質的に新規で借り直すのに近い費用がかかることもあります。
どちらになるかは契約書と管理会社次第です。「名義を変えるだけだから無料でしょ」と思い込んでいると、再契約扱いで数十万円を請求されて驚くことになりかねません。名義変更を申し出る前に、必ず「これは再契約になりますか?費用はいくらですか?」と確認しましょう。新規契約の費用感が気になる方は、審査や契約の進め方をまとめた同棲カップルの賃貸審査は厳しい?契約者はどっちにすべきかも参考になります。
手続き一覧表(届出先・必要書類・費用目安)
結婚後の賃貸まわりで発生しうる手続きを、賃貸契約以外のものも含めて一覧にまとめました。抜け漏れ防止のチェック表として使ってください。
| 手続き | 届出先 | 主な必要書類 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 賃貸の改姓届出 | 管理会社・大家 | 変更届、戸籍謄本または新住民票 | 無料が一般的 |
| 同居人の追加・変更届出 | 管理会社・大家 | 変更届、同居人の身分証・収入資料等 | 無料〜要確認 |
| 契約者の名義変更(軽処理) | 管理会社・大家 | 変更届、新契約者の身分証・収入資料 | 数千円〜1万円程度 |
| 契約者の名義変更(再契約扱い) | 管理会社・大家 | 新規契約書、審査書類一式 | 礼金・手数料等が再発生(数万〜数十万円) |
| 火災保険の契約者・被保険者変更 | 保険会社・代理店 | 変更届、新契約者情報 | 無料〜保険料差額 |
| 電気・ガス・水道の名義変更 | 各ライフライン事業者 | 契約者情報、口座・カード情報 | 無料 |
| インターネット回線の名義変更 | 回線・プロバイダ事業者 | 契約者情報、本人確認書類 | 事業者により手数料あり |
| 転居を伴う場合の住民票異動 | 市区町村役場 | 本人確認書類、転出証明書等 | 無料 |
※費用・必要書類は管理会社・事業者・自治体により異なります。上記はあくまで一般的な目安です。
【体験談】名義変更を申し出たら再契約と言われたケース
参考として、同棲から結婚に至った知人夫婦(30代)のケースを紹介します。
彼らは彼氏を契約者、彼女を同居人として1LDKに二人で住んでいました。入籍後、「せっかくだから契約者を夫婦の連名にしたい」と考え、管理会社に名義変更を申し出たそうです。ところが返ってきた答えは「連名にする場合は再契約となり、仲介手数料と礼金が改めて必要」というもの。試算すると15万円以上かかることがわかり、二人は「それなら契約者は今のまま、改姓の届出だけにします」と判断しました。
結果的に、改姓の届出(無料)と火災保険の名義変更だけで済み、余計な出費を避けられたとのこと。本人いわく「名義変更=簡単な事務手続きだと思い込んでいた。聞いてみて初めて再契約になると知り、ヒヤッとした」そうです。申し出る前に費用を確認する——このひと手間が、思わぬ出費を防ぎます。
火災保険・ライフラインの名義も忘れずに
賃貸契約の名義ばかりに気を取られがちですが、実は見落としやすいのが火災保険とライフラインの名義です。
火災保険は、契約者(被保険者)が誰になっているかが、いざ事故が起きたときの保険金請求に影響します。契約者が変わったのに保険の名義が旧姓・旧契約者のままだと、請求時に手続きが煩雑になることがあります。賃貸契約と合わせて、保険会社にも改姓・変更を届け出ておきましょう。
電気・ガス・水道、そしてインターネット回線も同様です。特に口座振替やクレジットカード払いにしている場合、改姓で口座名義やカード名義が変わると引き落としがエラーになることがあります。ライフラインの名義変更は基本無料でできるものが多いので、入籍後の落ち着いたタイミングでまとめて処理してしまうのが効率的です。
これを機に住み替えるという選択肢
結婚は住まいを見直す絶好のタイミングでもあります。同棲時代の部屋は、二人で暮らすには手狭だったり、駅や職場との距離が新生活に合わなかったりすることも少なくありません。
もし名義変更が「再契約扱い」で費用がかかると分かった場合、その費用と手間をかけて今の部屋に留まるより、いっそ新居に住み替えたほうが満足度が高いこともあります。特に、将来の子ども部屋や在宅ワークスペースを見据えるなら、間取りや広さから選び直す価値は十分にあります。
新婚生活の家賃をどの水準に設定すべきか、世帯収入からの適正な目安については新婚の家賃目安は世帯収入の何割?先輩夫婦のデータで解説(新婚の家賃目安は世帯収入の何割?)で先輩夫婦のデータをもとに解説しています。住み替えを検討するなら、まずは適正家賃を把握してから物件を探すのが失敗しないコツです。
結婚後の賃貸手続きまとめ・チェックリスト
最後に、この記事のポイントと、入籍後に確認しておきたいチェックリストをまとめます。
この記事のポイント
- 結婚しても契約者の名義変更は必須ではない。現契約者が住み続けるなら届出だけで済むことが多い
- 改姓・同居人の追加は「届出」で対応。基本は無料
- 契約者そのものを変える「名義変更」は、管理会社によって再契約扱いになり費用が発生することがある
- 名義変更を申し出る前に「再契約になるか・費用はいくらか」を必ず確認する
- 火災保険とライフライン(電気・ガス・水道・ネット)の名義変更も忘れずに
- 費用がかさむなら、これを機に住み替える選択肢も検討する価値あり
入籍後チェックリスト
- ☐ 現在の契約者・同居人の登録内容を契約書で確認したか
- ☐ 改姓の届出を管理会社に行ったか(戸籍謄本・新住民票を準備)
- ☐ 単身契約のまま二人で住んでいないか(二人入居の届出が必要)(「二人入居可」とは?同棲NG物件との違いと黙って住むリスク)
- ☐ 名義変更が必要な場合、再契約になるか・費用を確認したか(同棲カップルの賃貸審査は厳しい?契約者はどっちにすべきか)
- ☐ 火災保険の契約者・被保険者名を変更したか
- ☐ 電気・ガス・水道・ネットの名義と支払い口座を更新したか
- ☐ 住み替えを検討する場合、適正家賃を把握したか(新婚の家賃目安は世帯収入の何割?先輩夫婦のデータで解説)
結婚後の賃貸手続きは、「名義変更が必要か」を正しく見極めることが第一歩です。多くのケースでは無料の届出で済みますが、思い込みで動くと余計な費用がかかることもあります。この記事の一覧表とチェックリストを手元に置いて、新生活のスタートを気持ちよく切ってください。
※本記事に記載の手続き・費用・必要書類は一般的な目安であり、契約内容・管理会社・自治体・各事業者により異なります。実際の対応は必ず契約書の確認および管理会社・各窓口への問い合わせで判断してください。
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